バルブクリアランス調整

 

 

 

 

 

 

 

先日、空冷vwのエンジンはバルブクリアランス調整を「1万キロ または 6ヶ月 どちらか早い方」に実施する、とされていることを初めて知りました。

 

 

えっ そーなの!?

納車されてから3年半、3万キロくらいなんだけどw

 

 

実は去年くらいから、エンジン音の中の「タン、タン、タン、タン」という叩くような音が気になり始めて、この音以前は無かったような・・・?って思ってたんですよね。

これがバルブクリアランスが適正でないために出る音(タペット音)だとすると、調整で直るかもしれない。

 

とはいえ、この手の話って経験上、やってみると結果的には「あんま変わらんかったわ・・」ってことが多くて、激変するケース少ない気がするので期待はせずにやる。

 

自分ができる作業が一つ増えたってことで満足することにする。

 

 

さて、作業ですが守らないといけないことが一つあって、エンジンが完全に冷え切った状態でやらないといけません。

 

というのも、バルブクリアランスというのはエンジン内に送るガソリン+空気を制御するバルブと、そのバルブを駆動するアームとの隙間のことを言うんですが、これを 0.01mm 単位で調整する作業なんですね。

 

金属は冷たい時と熱い時で大きさが僅かに変わる(熱膨張する)ため、冷間時にはそのための隙間ができるように設計されていて、その隙間を調整しようとしているのです。だから完全に冷えてないと調整の意味が無いってことですね。

 

 

ウチの場合ビートルは機械式駐車場に停めていてそこでは作業ができないので、前日の夜に平面駐車場に停めてある家族の車と入れ替えておいてから、作業に臨みます。めんどい。

 

リアランス(隙間)の計測にはシックネスゲージという道具を使います。

0.10mm とか 0.15mm とか、一定の厚みで作られた金属板がまとまったセットになっている道具です。



 

適正なクリアランスは年式によって違うんですが、僕のビートル(78年式)は 0.15mm。ショップのメカニックの方が 0.10mm まで詰めても問題ないって仰ってたんですが、そこまでは勇気がないので 0.12mm(0.08mm + 0.04mm の組み合わせ)にしよう。

 

 

作業前。

前日の夜にリアタイヤをスロープの上に乗せておいたので、ここから開始。

 



 

なお、ウマやフロアジャッキは持っていません。今の自宅(分譲マンション)に引っ越す時に、もう今後は自分で整備できないだろう、と思って全部捨ててしまいました。しまった。

 

 

さて、作業に入る前にバルブを調整作業に適した状態(バルブが完全に閉じた状態)にする必要があります。バルブはエンジンのクランクの動きに同期して動いているので、ベルトのかかっているプーリーにメガネレンチをかけて、人力で回します。

 

 

 

実は今回おバカなミスをしてました。

 

メガネレンチを回す時のクランクの抵抗がすごくて、何コレこんな固いの!?って10分ほど途方に暮れてたんですが、(スロープに乗せた車が動かないように)ギアを1速に入れたままでした。。。 そりゃ回るハズない・・

 

 

クランクプーリーの奥側には切り欠きがあって、これを目印にして、ピストン位置を知ることができます。この切り欠きを、背後のエンジンケースの合わせ目に合わせることで、バルブが閉じた状態にすることができるわけですね。

 

バルブが閉じるタイミングは4つのシリンダーごとに異なるので、1ヶ所調整したらまたクランクを180°回して、次のシリンダーのバルブを調整して・・・と繰り返すことになります。

 

細かいことは省略しますが、FLAT4の下記ページ「■シリンダーナンバー」の項に分かりやすく説明されているので参考になると思います。

 

VW TECHNICAL DATA | 株式会社フラットフォー|FLAT4

 



 

さて、調整するバルブはシリンダーヘッドのバルブカバーの中にあるので、まずはバルブカバーを開けます。

 

バルブカバーはロックバーによってシリンダーヘッドに押し付けられて固定されているんですが、このバーとバルブカバーの間にドライバーを差し込んで、テコを使ってロックを外します。写真では100均ドライバーを使ってますが、本当はもっと長いドライバーの方がやりやすいです。

 

 

 

 

外れました。

 

 

 

 

 

 

今回は、シックネスゲージの 0.08mm と 0.04mm を合わせて 0.12mm で調整します。

 

 

 

 

 

 

シックネスゲージをバルブとアームの隙間に差し込んで、ゲージの通りやすさをチェックするんですが、やったことないので難しい。

 

よく言われてるのは、スルスルと抵抗なく通る場合は隙間が大き過ぎ、通らない場合は隙間が狭過ぎ、ちょっと抵抗あるけど通るくらいが丁度良い。でも「丁度良い」の感覚が合ってるのかは、ちょっと心配(笑)

 



 

距離を走ると、クリアランスはなぜかズレます。しかも、隙間が大きくなることも小さくなることもある。

 

写真にも写っているアームの頭にあるナットを緩めて、マイナスネジで調整してナットを締め込むんですが、ナットを締める時にもマイナスネジがどうしてもちょっと動いてしまうので、うまく調整するのが非常に難しい。。。

 

全部のバルブの調整をするのは、疲れる・・・

 

 

 

調整が終わったらバルブカバーを閉めるんですが、せっかくなのでガスケットは交換しておく。1個数百円のものだし、ガスケットはコルク製で劣化するので、2~3年?2~3万キロ?くらいでオイルが漏れてくるらしくて。

 

 

 

バルブカバーはキレイにしてから装着。完了!

 

 

 

 

 

で、当初の目的のタペットオン低減は達成されたのかと言うと・・・

 

あまり変わらないな~

 

気持ち、小さくなったような? いや気のせいかな??

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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